産後3ヶ月、出産直後から両手首の痛みに悩まされている方が来られました。
どのような状態かお伺いすると、少しでも動かすと痛むのはもちろん、じっとしていても痛いそうです。夜も痛みであまり眠れないとのこと。何より心配なのは、生活に支障が出ること以上に、赤ちゃんを抱っこしていても手首の痛みで落としてしまうんじゃないかということ。
手首を見せてもらうと、橈骨(とうこつ)が大きく下がっています。橈骨は前腕の2本ある骨のひとつで、肘の外側から親指側に続いています。
橈骨が下がると、手根骨が圧迫されて親指の付け根にある大菱形骨(だいりょうけいこつ)や、その周辺の骨が通常の位置よりもややズレてしまいます。腱鞘炎と言われる症状は、大菱形骨のズレが原因で痛みが出ていることが多いです。
操法の順序としては、初めに下がっている橈骨を上げる。次に大菱形骨のズレを調整します。
橈骨を初めに上げるのは、手根骨の圧迫が解消させるため、調整しやすくなるためです。
これだけで、先ほどまでじっとしてるだけで痛みがあったのが消えました。あとは動かすと少し痛みが残っているので、大菱形骨と中手骨の関節、小菱形骨、橈骨茎状突起外ズレなどを調整すると痛みはほぼ無くなり、動かしても痛みはないようです。
手首には細かい骨がいくつもあるので、それらが正しい位置からズレてしまうと痛みとして現れてきます。