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踵と仙骨

腰痛の原因のひとつとして、仙骨の問題があります。右の腰が痛いというOさんの仙骨は右側に傾いている。その他にも腸骨の捻れや腰椎のズレなどもありますが、それらを調整しても仙骨の傾きだけはなかなか整いません。

 

そんなときは視野を広くもち、どこに問題があり仙骨を引っぱっているのかを探します。

仙骨が右に傾いているので、そちら側に問題があるはずです。

 

お尻や、ふとももの裏の硬さを調べ、下腿はどうなっているか、足首はどうか。

すると、踵の骨が異常に硬くなっているのが見つかりました。踵骨が後ろへズレています。ここを押してみるとかなり痛がります。左側の踵骨を押しても圧痛はないので、やはり右の踵骨に問題があるのでしょう。

 

足首を上から押さえ、爪先を持ち上下に足首全体を動かしていると踵骨が後ろへズレているのが調整されます。しばらく続けたのち、右の踵骨を押してみても先ほど感じていた圧痛は消えていました。

 

それではまたうつ伏せになってもらい仙骨の状態を確認すると、右に傾いていた仙骨は真っすぐになっています。立ち上がってもらい、腰の痛みはどうですか?と聞くとすっかり無くなって軽くなりました、とのことです。

 

Oさんの腰痛は仙骨が右に傾いていたことが主な原因でしたが、もっと言うと踵骨が後ろへズレていたため、それが仙骨を引っぱり傾けていたことが原因だったということでした。