肩がこるというと、大抵は頸と肩の間か、頸の後ろから肩甲骨にかけてがツラいというケースが多いですね。
稀に頸の前側が凝って仕方ないという方が来られます。その方は10分と椅子に座っていられず、常に頸や肩を動かしてないとコリ固まってしまうので電車で座ってるのもツラいそうです。
実際にお身体を見てみると、鎖骨から耳の後ろにある乳様突起まで伸びる胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)が硬くなっています。
この硬くなった筋肉を揉みほぐしたくなる気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。
筋肉を押したり揉んだりして緩めても一時的なものですぐに元に戻ってしまいます。それに、頸には大事な神経や血管が通ってますので、強い力は禁物です。
さらにもっとよく見ていくと、左の胸鎖関節(きょうさかんせつ)にズレが生じています。胸鎖関節とは喉の下にぐりぐりとした出っぱった骨が左右にあります。これが胸鎖関節なのですが、左右の出っ張り具合が同じだと理想的です。
この方の胸鎖関節は左側だけ出っ張り具合が少ない、つまり身体の中に埋もれてるような状態になってます。このズレが胸鎖乳突筋を引っ張っているのではないかと思い調整していきます。
調整と言っても、たいしたことをするわけではなく、ただ胸鎖関節のぐりぐりを指で軽くつまんでじっとしてるだけです。ここで重要なのが本当に軽く触れること。力をかけると効果は出ません。
そうして1分ほどじっとしてると胸鎖関節の左右の出っ張り具合がだいぶ揃ってきました。そこで頸の様子を伺うとかなり軽くなったとのこと。
その後腕の緊張を緩めると頸のコリはほぼ消えたようです。
胸鎖関節がズレると頸コリだけではなく、頭痛や腕の痺れ、目の不調などにも関係すると言われています。
自分でもできる簡単な調整法なので、鏡を見て左右の出っ張りが違っていたらやってみるといいかもしれません。